1.はじめに
2022年10月現在、ひとつの知らないワードがネットニュース内に書いてあった”2023年ホットワード先どり!『リスキリング』”
なんでしょうか?はじめましてワード『リスキリング』?!
昨今「リスキリング」という言葉への注目が高まっている!らしい!
調べてみると
リスキリング:Reskilling
リスキリングとは、新しいスキルや技能を新たに学びなおすこと修得することを幅広く意味する表現である。英語では「reskilling」という風に表記される。
2.世界経済フォーラムとリスキリング
世界、地域、産業の課題の形成と世界情勢の改善を目的とした国際的な非営利団体である「世界経済フォーラム(World Economic Forum)」は、2018年からダボス会議においてリスキリングに関するセッションを開催し、その必要性と重要性を訴えている。同団体では2030年までに「リスキリング革命」を通じて、全世界で10億人以上に対してより良い教育・スキル・職業を提供することを目標としている。
参考リンク
Reskilling Revolution(World Economic Forum)
■経済産業省によるリスキリングの定義
経済産業省の2021年2月の資料『リスキリングとは―DX時代の人材戦略と世界の潮流―』によれば、リスキリングは「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」という風に定義されている。
同資料によれば、従来から言われていた「リカレント教育」の場合は、新しいことを学ぶために現在の職場を離れて学習することが前提となっていたのに対して、「リスキリング」の場合は現在の職は維持したままに、社内に「いまない」仕事や「いま、できる人がいない」仕事のためのスキルを獲得して行く取り組みである点が指摘されている。
■日本政府の動向
このような背景もあって、日本においてもリスキリングの重要性は急速に高まっており、2022年10月には衆院本会議の所信表明演説において岸田文雄首相が「リスキリングの支援に5年で1兆円を投じる」という趣旨の表明をしている。
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■リスキリングと資格、リスキリングとDX
従来の「学び直し」や「リカレント教育」と違って、「リスキリング」の場合は「今のビジネスモデルの延長ではない将来に新たに生じるであろう職業や職種のために必要なスキルを身に着ける」という点に力点が置かれた概念である。このため、AIやDXなども含めて、その企業にとって従業員がどういうことを「リスキリング」して欲しいかというのは、その企業の属する業界・業種や経営戦略によって変わって来るため、何か特定の「資格」を習得すればリスキリングになるという風に断定することは難しい面がある。
他方で、2022年の7月に実施された派遣で働く方を対象にした「エン派遣のアンケート調査」によれば、身に着けたいスキルとして「語学」「プログラミング」「動画編集」「WEB制作」「データ分析」「デザイン」「マーケティング」「情報セキュリティ」「AI・機会学習」などが挙げられている。
さらに経済産業省の同発表によると、Google検索において、英語の「Reskilling」は2020年5月時点で812,000件、2021年2月で3,870,000件に対し、日本語の「リスキリング」は前者が1,470件、後者が777,000件となっています。日本でも徐々に注目されているものの、海外の動きには遅れを取っている状態とのこと(わたくしはまったく聞いたことがなかった側ですが・・)
Amazonやウォルマートなどの海外企業は既に取り組んでおり、世界経済会議(ダボス会議)で3年連続でセッションが組まれたり、トランプ政権が労働者のリスキリング機会提供を誓約したりするなど、様々な動きが世界では出ているそうです。
3.日本におけるリスキリング
きもの業界に限らず、一つの業界、一つの部署に長年いることで、どうしても思考は偏り、新しいモノ・コトへの知識がわからなくなる。わからない・気付いていないだけならまだ良い方で、①今までやってきたプライドが新しいモノ・コトを拒み、②今まで行ってきた成功体験だけに執着し、③それを人へも強要する、④とにかく否定から入るなど①②③④が集まると老害以外なにものでもない。
わかりやすい部分で言うとDX(デジタルトランスフォーメーション)の世界では、異常なスピードでデジタル化が加速し個人が持つスキルは短期間で陳腐化してしまいます。上記記載あるように、いつのまにか社内において「今ない」仕事や「今、できる人がいない」仕事、「今すぐ取り掛からなければいけない」仕事が増えていることに気付かず進み、気付いたころにはビジネスモデルのサイクルが短くなり、労働人口の減少により採用は出来ず、一気に人工知能(AI)やロボットの進化で人間の力は必要のない仕事ばかりになることで余剰人員は膨れ上がり、企業は社員のクビをきることもやむなし・・・・・。
まさに「DXは形を変えたリストラ」とはその通りだと思う。これも本来、リストラはリストラクチャリングの略称であり、リストラクチャリングとは「事業(ビジネス)構造の再構築」を指す。再構築の際、不採算部門を縮小するなどすれば当然、その部門で働く人が余剰人員化するから、リストラという言葉のイメージ通りのクビ切りが実施される。と、いうわけだ。
そこで注目されるようになったのが『リスキリング』
リスキリングは「企業と個人の共倒れを防ぐ手段」だと言われている。リスキリングを行うことで「今ない」仕事や「今、できる人がいない」仕事、「今すぐ取り掛からなければいけない」仕事を、スピード感をもって対策することができるようになり、労働人口のボリュームゾーンである50歳~55歳のシニア社員の不活性問題を解消。AIに仕事を任せることで、採用問題も解消、衰退部門から成長部門へ変えることが出来るなど様々な可能性を感じる。
こんな素敵なリスキリングなのですが、日本企業で実行できない理由は1つと言われています。
「わからない人たちにわかってもらうこと」です
これはデジタル面におけるすべての弊害と言われています。わからないからこその問題意識の低さ、問題意識が低いので当然響かない(=社内調整が進まない)、問題意識が低いので採用も行わない、採用が出来ないのでリソースが足りないなどの問題が出てきます。良く言えば「日本はわからない人を誰も取り残さない社会」だが、誰も取り残さない代わりに全体が遅れる状況が続いている。
リスキリングについては海外の成功事例はありますが、日本の問題を加味してどの企業も試行錯誤であり、知らない企業もたくさんあるのが実情です。『リスキリングをやらない』という選択肢はありません。なぜならリスキリングは、前述している通り個人の問題ではなく、企業が生き残るための課題であり、「人口は1億人、その約4割は65歳以上の高齢者で占められる2050年の日本」に向けたこれからの30年で、日本が成功していくための社会課題だからです。
取り残される前に個人としてもあと一歩前に・・