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きもの×成熟市場

1.成熟市場について

「成熟市場」

きもの業界は良く言われる言葉だ。

ただ、日本国内ほとんどの市場において商品/サービスは消費者のニーズを満たし、更に日本の人口は減少が加速していくという時代。そういう意味も含めて、日本国内ほぼ成熟市場と呼んで良いのではないかと思っています。

スーパーマーケット市場はこの数十年間で店舗数は増え続け、そして巨大化(モール化)してきましたが、コロナ前までは既存店の売上は減少し続けているという典型的なオーバーストアの状況だったと言えます。コロナ後好調ではありますが、あくまで今は特需としてその他の課題へ着手すべきかと思います。わかりやすいのは増加する高齢者への対応が大きな課題/チャンスになることは間違いないかと思います。

ホームセンター市場は、店舗を出せばその分売上も増えていく流れがしばらく続いていたものの、とうとう数年前からは売上の伸びは止まりました。「残るはeコマースを軌道にのせることだなー」と思っていた頃に、カインズとeコマース専業社も手を結び堅調に推移しているようです。タイミングは非常に良く、コロナパンデミック前に取り掛かったのも良かったのかなと思っています。

コンビニはどうでしょうか。

コンビニこそオーバーストアと見えますがコロナでの下落はあったものの復調傾向にあります。すばらしいのはコロナ禍での生活様式の変化に素早く対応し、ニーズに合った商品・サービスを充実させるコンビニのスピード感が発揮し、思わず感心してしまったぐらいです。

成熟した市場となった場合はどうすべきか。

国内がダメなら海外展開?値上げ、コスト削減、M&Aなどさまざまな施策がありますがなにが正解と言えるのでしょうか?マーケティング3.0・4.0における戦略など様々言われますが、誰も答えを知らない状況に向かっていると言えます。

2.成熟市場でもやり残したことがある

花王の「中興の祖」と呼ばれた丸田芳郎元社長(現長野市出身)の名言です。「もう十分やりつくした」「これ以上消費者は求めていない」と思えば作り手の発想は止まってしまいます。

河野大臣が「行政手続きの99%において押印廃止が可能である」と発言した事で、はんこ事業者団体が「傷口に塩」と激怒し抗議しています。

そんな激動の印章業界において、何処吹く風と快進撃を続けている会社が「シヤチハタ株式会社(読み方シャチハタ)」です。

シヤチハタの創業を支えたのが「万年スタンプ台」。インキを補充せずに何度も押せるのが画期的だったようです。

今では、シヤチハタと言えば「Xスタンパー」。たちばなでも全店がお世話になっている超ヒット商品ですが、開発は何と昭和43年(現在53歳)。

Xスタンパー開発当時は「万年スタンプ台」の売上が半分を占めていました。先を読み、敢えて創業の商品を断捨離した決断は見事ですね。

この成功が現シヤチハタの「もっとたのしく!シヤチハタ委員会」というプロジェクトを誕生させました。

贈答用にも人気の「着せ替え商品」。ハンコを自分好みにカスタムできるシリーズ。キャップとボディをクリスタルガラスのラインストーンであしらう物はなんと!19,800円(税別)。

ママお助けでプチヒットした「おむつポン」や、はさみを使わずにおりがみ用紙ができる「おりがみ工場」等…様々なヒット商品を誕生させています。

3.シヤチハタの生き残り

シヤチハタの危機意識は極めて高く、いつかハンコ文化が衰退することを予兆していたのだと思います。ウインドウズ95が発売された1995年に「パソコン決裁」という電子決裁商品を既に開発しましたが、日本は世界でも類を見ないハンコ文化が根強く残っておりなかなか普及しませんでした。

しかし、いつか芽を出す日が来ると信じ、研究開発は怠らなかった結果、現在は「パソコン決裁Cloud」にバージョンアップしており、昨年までに加盟企業はじわじわ増えて1万社。

今年のコロナ禍において在宅ワークの問題解決に向けて一気にプロモーションを増加させ爆発的ヒットにつながりました。もしコロナ禍の後に研究開発をスタートしていたのでは間に合わなかったですね。

4.たちばなに活かす

作務衣や半纏は、部屋着の需要が高まったコロナ禍にもチャンスがある商品ではないかと思っています。鬼滅の刃とのコラボ半纏は即完売。独自性に拘れば商機があるように感じます。

 

大切なのは、きものに代表される主力商品がある中で「小さいニーズをバカにせず、大切に出来る精神性・文化」だと感じます。呉服業界でもまだまだやり残した事はあるのだとワクワクしてきますね。

新しい物を生み出すヒントは、日常の「ちょっとした違和感」にあります。

常識にとらわれて、その「違和感」がモヤモヤしながら消えていってしまう前に、皆さんが感じた「違和感」を是非教えてください。

そこに新商品・新サービスの原石が眠っている事に違いありません。

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